ニューオリンズジャズとの出会

ジャズのクラリネット奏者は相手を音で覚える

     2002.6.16 村松淳彦

第1回
<早稲田ニューオルリンズジャズクラブ>
小生が、ニューオルリンズジャズに出会ったのは、昭和34年(1959年)、大学のクラブに入ってからでした。クラブの名前が、ニューオルリンズジャズクラブということで、そう理解したのですが、内容はディキシーランドジャズの曲目の中にジョージルイスの演奏している曲が入っているというものでした。譜面などはメロディのものもなく、レコードをきいて、覚えるというものでした。
当時、クラブには、河合良一さん(4年生、clarinet)、木村陽一さん(3年生、drums)たち初代のメンバがいて演奏がうまく、小生たち1年生の同期には、大松澤晴美(trumpet)、吉田正彬(clarinet)、寺島邦夫(banjo)など、ほとんどが早稲田高等学院・ブラスバンド出身のテクニシャンで、小生には腹の立つ連中がそろっていました。同期の連中は、みな譜面はよめるし、聴くとすぐフレーズを覚えて練習しているのです。小生だけが、譜面はよめないし、レコードを聴いて真似しようと試みても、どうしても他人のclarinetのフレーズが覚えられないのです。不思議なことにtrumpetやtromboneのフレーズは、すぐ、覚えられました。小生はclarinetのフレーズを真似することはあきらめました。コードとメロディを覚え、何回もレコードをききながら、同じイメージを作り出そうとするのが、精一杯でした。

colum頁へ